今回は僕のはじめてのバイト「超S級ブラックバイトの日々」をご紹介します!!
居酒屋にも色々な系列店がありますが、僕が初バイト先として選んだのは駅前の飲み屋街に堂々と店を構えている某チェーン店〇〇という居酒屋でした…笑
かつてブラック企業大賞を受賞した〇〇〇の系列店です…
僕はそこの調理として約2年間働いていました。
はじめてのバイトで何から何までわからない状態で働き始め、気付いた時にはすでに遅し、搾取され続けていました。
書くことなんていくらでもありますが、百聞は一見に如かず、とりあえず僕の1日のスケジュールをご覧いただきましょう。
Contents
一日のスケジュール
【月・火】
起床 | 8:00~8:30 |
通学 | 8:30~9:00 |
大学 | 9:00~16:30 |
出勤 | 16:30~17:00 |
営業 | 17:00~2:00 |
帰宅 | 2:00~2:30 |
就寝準備 | 2:30~3:00 |
就寝 | 3:00~ |
【水・金・土】
起床 | 8:00~8:30 |
通学 | 8:30~9:00 |
大学 | 9:00~15:00 |
帰宅 | 15:00~15:30 |
仮眠 | 15:30~16:30 |
通勤 | 16:30~17:00 |
営業 | 17:00~23:00 |
休憩 | 23:00~24:00 |
営業 | 24:00~5:00 |
サービス残業 | 5:00~7:00 |
帰宅 | 7:00~7:30 |
当時の僕は大学1年生、高校時代は全国大会常連校のサッカー部に属していたことから日頃の練習から色々麻痺っていたんでしょうね…
この異常なスケジュールに対してなんら問題のない普通のことだと思っていました。
小さい頃から念仏のように、両親や先生たちからよく同じ言葉を聞きましたね。
お金は稼ぐことはそんな甘いもんじゃない!!
毎日酒を飲みながらこぼす父さんの愚痴の数々、社会はとてつもなく厳しいもんなんだと当たり前のように錯覚していました。
当時の僕は世間知らずでたった数万円稼ぐ為でも、これぐらいの努力が必要だと勘違いしていたんです。
現在では、ほんと馬鹿らしい限りですよ…
体育会系高校生とは恐ろしいもので、ブラック企業をブラックとも思えないほど、心身が鍛え上げられているんです…
社会に出ると体育会系の皆さんはいいカモにされますので、自分を強く持って生きて行ってほしいと思います…笑
調理は100人vs2人
さて、僕の調理のお仕事ですが、まぁー激務でした。
なんせお客さん100人に対して調理2人なんですもん笑
メニューは100種類ほどありました。
揚げ場・刺し場・焼き場・厨房、これを2人で回します。
☑揚げ場 唐揚げ全般・揚げ出し卵・揚げもち・揚げ豆腐など
☑刺し場 刺身・サラダ・デザート・アイス・珍味・寿司など
☑焼き場 串焼き・ピザ・チヂミ・餃子など
☑厨房 チャーハン・リゾット・卵焼き・パスタ・うどん・焼きそば・ラーメンなど
調理場の設備配置的に、「揚げ場・刺し場」と「焼き場・厨房」に分かれます。
ただ、駅前店舗で回転率もかなり高かったために、厨房の人は「厨房1ポジ」になりがちだったですよね…
できる人でも1.5ポジ、2ポジ分を見れる人はいませんでした。
結果、厨房に入らない人は「揚場・刺し場・焼き場」の3ポジを見なければならない実情があったんですよ。
3ポジは激務すぎる
3ポジは理論的に人間には回せません笑
ただ、仕込みまくることができれば、なんとか回せるようになります。
お客さんの入りが甘い17:00~18:00の間にこれでもかというほど仕込みます。
仕込み
❶ サラダはラップはって上下逆さにして30皿分積み上げる
❷ 刺身は凍った状態の方が綺麗に切れるので、全種3匹分はカットしておく、サーモンは6匹分
❸ 出たらめんどくさい、パフェ・押し寿司・巻き寿司などもそれぞれ5人前作っておく
❹ ピザも20枚ほど仕込んでおく
❺ 餃子は鉄板に並べた状態のものを20枚用意しておく
❻ 串焼きは半焼きのものを沢山用意しておく
※唐揚げは前日の夜にこれでもかというほど仕込んでおきます
店が混んでくるといよいよカオスになってきます。
そんな時は基本的なローテーションを回して、合間時間で時間がかかるものを片していきます。
カオス時の対処法
❶ 揚げ物やサラダを先に出して時間を稼ぐのがセオリー、とりあえず揚げ物をぶち込む
❷ それと並行して串焼きをやき、揚げ焼きの間に、サラダを出してしまう
❸ あがったら揚げ物を出し、それと同時に刺身も出し、その後焼き上がった串類を出す
サラダや刺身は切って乗せるだけなので、30~40秒あれば一皿仕上がります。
合間時間はどんどんストックを増やします。
餃子屋やピザは仕込みができていれば乗せるだけなので早めに、巻き寿司やパフェは時間がかかるので後回しです。
作るのが怠いもんは一気に片します。
多めに作って出すもんは出して、あとはストックします。
とりあえずクレーム回避が最優先、どんな状況でも30分以内に提供することです。
ただ、伝票が貯まるとテンパって頭が回らなくなるので、同じ伝票はまとめて一気に作って数を減らしていくのが基本。
短時間で提供できるものは、とりあえず作りながら考えた方が速いです!
まさかの4ポジ目、洗い場の存在
3ポジは普通にやったら回りません。
そんな状態でも、料理を出せば出すほどに当然洗い物は貯まっていきます。
残念ながらこれも片さないと店は回んないんですよ…
調理場の動線はかなり悪く、ホールがとろとろサポートに入ると逆に邪魔になります。
皿を軽く洗って洗浄機にかけるだけで、汚れは取れますから、1ケース20秒ぐらいで皿を満帆にし、そこから洗浄しては作ってのローテで片していきます。
18:00~23:00まではノーストップでこの忙しさを繰り返します。
23:00になると回転も緩やかになり、遅番が来るので少しラクになります。
遅番の到着に合わせて、休憩に向かいます。
深夜は怒涛の仕込みラッシュ
深夜帯に休めると思ったら大間違い。
ここから怒涛の仕込みラッシュが始まります。
唐揚げ類と串焼き類の仕込みをしなければなりません。
もも・軟骨・砂肝、グラム数ごとにポリ袋へ分けて下味漬けたり、串に通したりします。
人気商品はそれぞれ100~200食ぐらい仕込みます。
他の商品も約20~30食ぐらい仕込んでおきます。
それから野菜のカットです。
叩きキュウリや玉ねぎスライス、大根すりなど、明日の営業の人が来て困らないように、ガッツリ準備しないといけません。
料理を出しながら仕込んで、5時までには終わらせます。
5時からの片づけはサービス残業
駅前ですので、基本朝5時まで飲んでるお客さんがいます。
ホールは空いた席から片していきますが、調理は仕込みや料理があるので片付けに取り掛かれません。
また、この職場は翌5時からの給料は発生しなくなります。
労働基準法違反ですが、世の中そんなもんです。
早く片付けないと帰れんよーって言われます。
調理の片づけはフライヤー清掃や焼き台、ホールから下がってきた洗いを片しての洗浄機清掃なのでそれ相応の時間がかかります。
ホールが6時に帰宅し、調理は7時に帰宅します。
こんなブラックでも、当時は辞めたいとも思ってなかった…
無知とは凄いもんで、かつての自分はこんなふざけた労働時間でもまったく辞めたいとは思っていませんでした。
なんせ、判断材料がなかった…
どのバイトもこんだけツライもんだと勝手に思い込んでいたんです。
「お金を稼ぐことは大変だ!!」
その言葉を鵜呑みにして信じて疑わなかったんです。
当時の自分は、高校時代の練習がハードすぎて、こんなにもブラックな環境でも特に不満を感じてはいませんでした…
「寝れなくて困るなー」…ぐらいにしか思ってなかったんです。
今思えばこんな不合理なこともない。
2年続けて、お店で最速になっていたのに時給は1000円から一度も上がりませんでした。
僕がいる日は2人、他の日は3人で回すのに、時給が1円も上がっていないんです。
そんな不合理な環境下で働いていた僕は、ブラックバイトを続けた結果、さらに不合理な状況を引き起こす羽目になりました…
留年の危機到来…
こんな生活をしているわけで、授業を寝過ごしてしまうこともしばしばでした。
僕が通っていたのは某理大で、理科系の大学というのはレポート課題が多い上に、出席日数にとても厳しく、テスト自体も難しいんです。
ブラックバイトを始めた1年生後期から単位の取得数が2/3になり、2年の前期には1/2になりました。
授業の難易度が上がってきたことと、出席日数が足りなくなったことが原因でした。
理大ってのは年間の学費が馬鹿高いんですよね。
親も学費を払うので精一杯、生活費は全て自分で賄う必要がありました。
県外一人暮らしでしたので時給が高いバイトをしないと家賃すら払えない。
そんな状況でとにかく金の良いバイトをってことで選んだのが居酒屋の深夜勤務だったわけですが、これは完全なる判断ミスでしたね…
ブラックだからとか、激務だからとかではなく、留年してしまう危機から僕は約2年間働いてきた職場を辞めることなりました。
おわりに…
はじめてのアルバイトというのはただただ恐ろしいものです。
無知ゆえに判断基準を持たないこと、社会というシステムを知らないことから多くの人は搾取されてしまいます。
社会人でさえ搾取されている現状なのに、勝手を知らない学生はやはりいいカモならないはずがないんです。
学生の本文は勉強です!!
それ以上でもそれ以下でもない、勉強するから学生なんですよ。
学生時代にバイトをするのはある意味で大切かもしれません。
ただ、バイトを頑張った人よりも、卒論や研究を頑張った人の方が評価されるのなんて容易に想像できることです。
今の時代なら特にです!!
多くの会社で求められるのは突出した才能ではなく歯車ですので、会社に貢献するのではなく、「自分の人生を豊かにするために会社を利用する」と考えたほうが、今後あらゆる局面で気が楽かもしれませんね…