豆知識

パトカーってクラウンばっか、血税の無駄使いは本当なのか!?



最近のパトカーってめちゃくちゃ高級感がありますよね…

公用車なので、俺たちの税金から買われているわけですが、アレを見るといつも思います。


なんか無駄にキラキラしとるな💦


あんなものに国民の血税が使われていると思うと、虚しくなります。

クラウン仕様、あんな高い車である必要まったくないですよね…笑


coco
ふざけんな!軽でも乗っとけ!!



今回はサッツーが乗り回しているあの高級車の真相に迫っていきますよ(^^)


Contents

パトカー購入は「国」「県」「寄贈」の3ルートより決まる!!



パトカーの入手ルートは大きく分けて以下3種に分かれます。


ポイント

❶ 国費パトカー
❷ 県費パトカー
❸ 寄贈パトカー


国の税金から購入するもの、県の予算から調達するもの、企業からの寄贈により与えられるもの、様々です。


国費ではクラウンが主流、最近では採用基準の緩和によりレガシィB4もよく取り入れられるようになりました。


県費では実に様々な車種が採用されています。

栃木県警を一例とすると、「フェアレディZ」「GT-R」、本田技研工業の「NSX」を採用。


寄贈パトカーというのは企業から送られるパトカーです。

目新しい一例としては栃木県警に「レクサスLCパトカー」が寄贈、なんと1740万円の車だそうです!!

今回のレクサス寄贈者は2018年に採用された「GT-R」の際にも寄贈を行っており、その後に「GT-Rパトカー」が採用されたようなんです…笑


「寄贈」ってのはどういう意味があるんですかね~


パトカー購入は「競争入札」が一般的!!



パトカーは入札によって購入します。

入札といえば、オークションのような形態が思い浮かびますが、ここでの入札は少し違います。


競争入札とは?

競争入札(きょうそうにゅうさつ)とは、売買請負契約などにおいて最も有利な条件を示す者と契約を締結するために複数の契約希望者に内容や入札金額を書いた文書を提出させて、内容や金額から契約者を決める方法。主としてなどの公的機関などが行うことが多い。単に入札(にゅうさつ、いれふだ)とも呼ばれる。競争入札によらずに行う契約を随意契約という。  

出典:Wikipedia


小難しい言葉が並んでいますが、要は「一番安い金額を提示してくれた方と契約する」ということです。

実に理にかなったシステム、税金を使うわけですからそのシステムに乗っ取って売買されているなら何の問題もありませんね。

ただ、この「競争入札」には大きく2つの形態があるんです…


  • 一般競争入札
入札情報を公告して参加申込を募り、条件を満たしたすべての参加申込者同士で競争に付して契約者を決める方式。
  • 指名競争入札
発注者側が指名した者同士で競争に付して契約者を決める方式

出典:Wikipedia


指名競争入札の場合、少なからず恣意的な判断基準があることは容易に想像できるでしょう。

そのため、官庁調達案件においては会計法第29条より「一般競争入札」が原則とされています。


しかし、指名競争入札が存在するのも確かです。

なぜかというと、以下の条件であれば例外的に指名できることを国が認めているからなんです!!


・指名競争入札によることができる要件

① 契約の性質・目的が一般競争入札に適しない契約をするとき。
② 契約の性質・目的により、入札に加わるべき者の数が一般競争入札に付する必要がないと認められる程度に少数である契約をするとき。
③ 一般競争入札に付することが不利と認められるとき。

地方自治法第234条第2項、地方自治法施行令第167条より


以上の例外的な要件下では指名競争入札が成立します。

この要件を満たすのものは建設関連の入札に多く、改修工事などで用いられています。

パトカー購入は原則に乗っ取って、一般競争入札が主流となっています。


パトカーは何万円するの?



パトカーに明確な価格はありません。

入札によって価格決定がされるため、その結果に応じて価格変動が起こります。


採用するモデルの価格にも依存します。

ただ、市販品と全く同じという訳ではなく、性能的にはダウングレードだったり簡易化して価格を下げているものが多いです。

さらに、一括購入の恩恵を受けていますので、パトカー仕様にしたとしてもそのモデルより割安で受注できるようになっています。


詳細仕様 台数 単価 合計金額
無線警ら車 2WD 489台 2,759,000円 1,349,151,000円(13億4915万1千円)
無線警ら車 2WD(雪よけカバー付き) 4台 2,777,000円 11,108,000円(1,110万8千円)
無線警ら車 2WD(特別防錆処理) 6台 2,877,600円 17,265,600円(1,726万5600円)
無線警ら車 4WD 84台 3,008,600円 252,722,400円(2億5千2百72万2,400円)
無線警ら車 4WD(雪よけカバー付き) 69台 3,026,600円 208,835,400円(2億8百83万5,400円)
無線警ら車 4WD(北海道地区・雪よけカバー付き) 22台 3,044,600円 66,981,200円(6,698万1,200円)
合計 674台 1,906,063,600円(19億606万3,600円)

出典:最新 210系クラウンパトカー(無線警ら車)の値段


こちらは「210系クラウンパトカーの内訳」になります。

「FBIjob.net」さんが契約内容をうまくまとめてくださってますので、載せさせていただいております。

「無線警ら車」ってのはパトカーのことですね!!


この表を見ると分かりやすいですが、パトカーは一度に大量購入されます。

積雪地帯など必要なオプションがある場合はその分が金額に上乗せされ、性能面の違いも金額に反映されています。


今回は価格は2WDで280万、4WDで300万円、一台当たりの価格はその時々で算定されます。

明確な価格はないのが原則ですが、傾向としてはクラウンパトカーであれば300万円前後が相場といったところです!!


パトカーの採用基準について


 

どんな車でもパトカーにできるわけではありません。

パトカーには採用基準というものがあり、その条件を満たしていないとその役割を与えていけないんです。


ポイント

❶ 車体は、セダン型で4ドアであること。
❷ 排気量は、2,500cc級以上であること。
❸ トランクルームは、床面が概ねフラットなもの、容量が450L以上であること。
❹ サスペンションは、トランクルームに常時約60kgを積載し、かつ昇降機構付き警光
灯を搭載して約20万km走行することに耐えうる構造とすること。


入札条件によって要望は多岐にわたるのですが、基本的に以上の4点はクリアする必要があります。

具体的な例として、「無線警ら車仕様書 神奈川県警察本部」の仕様内容を載せておきます。

基準となる要項を含めて大小20項の採用基準が設けられています。


パトカーの採用基準


1 車体は、セダン型で4ドアであること。
2 排気量は、2,500cc級以上であること。
3 駆動方式は、別記のとおりとすること。
4 ガソリン車については、国土交通省低排出ガス車認定制度における「平成17年
基準排出ガス75%低減レベル」以上、ディーゼル車については「平成21年排出ガ
ス規制適合レベル」以上の性能を有する車両をベースに製作すること。
5 前部席の座面から天井までの高さは900mm以上であること。
6 乗車定員は、5名であること。
7 各座席は、承認を受けたビニールレザー等の耐水性、耐久性の高い素材とすること。
8 後部席は、センターアームレストがないもの等で、承認を受けたものであること。
9 運転室及び後部室のドアウインドウは、電動(パワーウインドウ)式とし、運転席
にウインドウロックスイッチを設けること。
10 ブレーキは、四輪ディスクブレーキ同等以上で、かつ、アンチロックブレーキシス
テムを装備していること。


11 フロントフォグランプを装備すること。
12 エンジン回転計を装備すること。
13 車両停車時に電力を使用している場合でも、常に良好な電力が供給されるように自
動又は手動でエンジン回転数を上昇させ、その回転数を保持することができるように
すること。
なお、手動で操作する場合には、その操作部はインストルメントパネルの承認を受
けた部位に取り付けること。
14 エアバッグは、運転席用及び助手席用を装備すること。
15 屋根には、後述する昇降機構付き警光灯を搭載するために、必要な補強を施すこと。
16 サスペンションは、トランクルームに常時約60kgを積載し、かつ昇降機構付き警光
灯を搭載して約20万km走行することに耐えうる構造とすること。
なお、積載物の加重については、トランク床面にほぼ均等にかかるものとする。
17 トランクルームは、床面が概ねフラットなものであり、容量が450L以上であるこ
と。
18 トランクは、約1万回の開閉を行うことに耐えうる構造とすること。
19 トランクオープナー及びトランクルームランプを装備すること。
20 室内足置き部及びトランクルーム床面は、塩化ビニール等水捌けのよいものを使用
すること。
なお、室内をフロアマット等で代用する場合には、承認を受けること。

出典:無線警ら車仕様書


パトカーにクラウンが多い理由



なぜ数ある車種からクラウンが選ばれているのか?



その理由に、「カタログ」の存在があります。

トヨタは戦略的にパトカー専用グレードを用意することで、その受注数を獲得してきた歴史あるんです。


「トヨタ・パトロール」、1955年より製造されたパトカー用のトヨタ規格です。

注目すべきは6気筒エンジンの採用。

パトカーとしてタフな使用環境に対応すべく、トラック用のものを搭載しています。



この規格をベースにこれまで量産を手掛け、最適な形へと改良を遂げてきました。

先に述べたように、警察用車両は競争入札の一括購入のため、受注できればかなり収益に繋がります。


トヨタはこの先行者利益を守りながら、顧客のニーズに寄り添うことで、これまでクラウンを量産してきたわけです。


【結論】 無駄使いってほどでもない



現行のモデルを加工しオプションを加えていくということで、かなり高額になると思ってましたが、調べてみると案外とそんなこともない。

競争入札という制度のおかげで必要最低限の価格に落ち着き、それを一括購入することでさらに安上がりになっていました。

パトカー用のカタログまで存在し、思ったよりは警察車両の市場は健全でした。


ただ、やはり「寄贈」には疑念が残ります…笑

入札方式も一般的には公平性があるように見えますが、実際に中で何が行われているかはわかりませんからね…

なんにしても公務は透明性が命、可視化がなければ信用には値しません。


今後、技術革新によってあらゆる事柄が可視化できるシステムが生まれることを切に願います!!

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