夫:運送、妻:美容。共に個人事業で生きていく事になりました。フリーランスの生々しいリアルを発信していきます。

軽貨物は最低賃金以下になる?業務委託費を時給計算してみた

こんちわ、オットーです🐈

軽貨物の求人を見ていると、

「日給16000円」
「月収40万円以上可能」
「頑張れば月収50~80万円」

といった求人をよく見かけます。

オットー

日給16000円か…



日給16000円と聞けば、それほど悪くないように感じるかもしれません。
しかし、軽貨物ドライバーの多くは会社員ではなく業務委託の個人事業主です。

ここで忘れてはいけないのが、


売上=給料ではない


日給16000円を例に、そこから引かれる経費を差し引いて、実際の利益を算出してみましょう。

目次

業務委託を受けるうえでかかる車両関連費


まず、軽貨物運送事業を行うにあたり、必要な固定費を整理していきます。
新規参入者の多くはリースが一般的だと思いますので、そちらで出していきます。

車両関連費の一例


☑ 軽バン(リース)
¥30,000
☑ メンテナンス費
¥10,000
☑ ガソリン
¥45,000
☑ 任意保険
¥15,000
☑ 駐車場代
¥7,000

計                  ¥107,000



基本的には10万前後に落ち着くと思います。
車を自身で用意すればもう少し安くはなります、持ち家の方は駐車場代はかかりません。
自身でメンテナンスができる方は、更に経費が落ちます。

業務委託へのロイヤリティは必要



問題はここからです。
個人ドライバーが、荷主様から直案件をいただくことは非常に難しい。

その理由は以下の通りです

STEP
欠員時の代走手配が難しい

STEP
誤配などのイレギュラー対応能力

STEP
個人ドライバーごとに連絡コストがかかるため、一本化したい

STEP
事故による信用失墜リスクを外部に逃がせる規模感必要




荷主様としては、配送エリアを丸ごと委託会社に任せて、配送業務は連絡のみで完結させたいと考える傾向にあります。
なぜならば、委託ドライバーは業務委託の割合が非常に高く、そこに対して指揮命令を行ってしまうと、法律上ややこしいことになるからです。

オットー

製造元が運送事業まで持つと重いんだよね



そうした場合のクッション材としても、委託会社が採用されます。
荷主様の要求を委託会社が運営可能な形に落として、個人に助言する。
委託会社は、安全・品質管理に対するお願いを個人ドライバーし、指揮命令にはならない範疇で、統制を行います。

つまり、委託会社は個人ドライバーにとっても、クッション材として機能するのです。

☑ 個人で仕事は取り切れない
☑ 荷主様からの無理な買いたたきを抑制する

この通行料とクッション材としての役割に対して、ロイヤリティが発生します。


これは、しっかりとしたサービスであり、とったとられたの話ではありません。
問題は、そのサービスが適正価格、納得できる内容であるかです。

オットー

手数料には色んな形があるよ



配達料金からあらかじめ引くパターン
例:本来、個数単価一個200円の所、ー50円、一個150円で契約する。

ロイヤリティを設定するパターン
例:一個200円で契約、総売上から15%をいただく。

配達料金から抜く、ロイヤリティも設ける。
例:本来、個数単価一個200円の所、ー30円、一個170円で契約する。更に総売上の10%いただく。

この中身というのは業界全体でブラックボックス化されており、容易に知れるものではありません。

ロイヤリティの相場


ロイヤリティは、10~20%で設定されます。
これは売上に対してかかるのものとお考えください。


先ほどの日給16000円、月額にすると以下の通りです。

週3(13日)  ¥208,000
週4(17日)  ¥272,000
週5(22日)  ¥352,000
週6(26日)  ¥416,000

ここから、10~20%のロイヤリティが引かれます。

稼働月収10%差引後15%差引後20%差引後
週3¥208,000¥187,200¥176,800¥166,400
週4¥272,000¥244,800¥231,200¥217,600
週5¥352,000¥316,800¥299,200¥281,600
週6¥416,000¥374,400¥353,600¥332,800


週6で40万稼いだとして、ロイヤリティ20%だと、既に危険信号が出ています。
16000円~18000円の固定で契約している場合は、ロイヤリティを設けていない企業も多いです(あらかじめ配送単価から差分をとっている)

その場合は、416000円残ります。

時給換算してみよう


月間売上は¥416,000から車両関連費¥107,000を引くと、¥309,000となります。
週6出勤とし、ロイヤリティ0%10%15%20%と見ていきましょう。

オットー

週6勤務が求められるのは、欠勤時の代走手配が大変だからだよ
特に、零細企業なんかは、社長自ら入らないといけないからね、人足りない



ロイヤリティ率(%)利益
0¥309,000
10¥267,400
15¥246,600
20¥225,800


この数字を26日出勤、実働7~15時間で割ってみましょう。



実働時間(h)日額経費差引後ロイ0%
(時給)
ロイ10%
(時給)
ロイ15%
(時給)
ロイ20%
(時給)
7¥16,000¥11,884¥1,698¥1,469¥1,355¥1,241
8¥16,000¥11,884¥1,486¥1,286¥1,186¥1,086
9¥16,000¥11,884¥1,320¥1,143¥1,054¥965
10¥16,000¥11,884¥1,188¥1,028¥948¥868
11¥16,000¥11,884¥1,080¥935¥862¥790
12¥16,000¥11,884¥990¥857¥790¥724
13¥16,000¥11,884¥914¥791¥729¥668
14¥16,000¥11,884¥849¥734¥677¥620
15¥16,000¥11,884¥792¥685¥632¥579


オットー

驚愕な数字だ…


これが軽貨物で月収40万の実情です。

しかもこれ、経費を自分で払って、事故・誤配リスクを背負ってこの状態です。
つまり、リスクプレミアムはほぼ乗ってないことが分かります。

短時間で終わらせて、16000円を持って帰ってはじめて、業務委託として仕事受けたリスクプレミアムが最低限乗る設計になっております。


大手運送会社では、配送時間が9~21時となっており、フル出勤するならば朝7・8時にセンターで荷物を積込み、現地で9時より配送開始。
夜配が多いエリアだと21時まで配ることも少なくなく、センターに戻り退勤処理をするとなると、15時間コースも見えてきます。

月収50万、70万、100万も見てみよう


【月収50万】

実働時間(h)日額経費差引後ロイ0%
(時給)
ロイ10%
(時給)
ロイ15%
(時給)
ロイ20%
(時給)
7¥19,231¥15,115¥2,159¥1,885¥1,747¥1,610
8¥19,231¥15,115¥1,889¥1,649¥1,529¥1,409
9¥19,231¥15,115¥1,679¥1,466¥1,359¥1,252
10¥19,231¥15,115¥1,512¥1,319¥1,223¥1,127
11¥19,231¥15,115¥1,374¥1,199¥1,112¥1,024
12¥19,231¥15,115¥1,260¥1,099¥1,019¥939
13¥19,231¥15,115¥1,163¥1,015¥941¥867
14¥19,231¥15,115¥1,080¥942¥874¥805
15¥19,231¥15,115¥1,008¥879¥815¥751

【月収70万】

実働時間(h)日額経費差引後ロイ0%
(時給)
ロイ10%
(時給)
ロイ15%
(時給)
ロイ20%
(時給)
7¥26,923¥22,808¥3,258¥2,874¥2,681¥2,489
8¥26,923¥22,808¥2,851¥2,514¥2,346¥2,178
9¥26,923¥22,808¥2,534¥2,235¥2,085¥1,936
10¥26,923¥22,808¥2,281¥2,012¥1,817¥1,742
11¥26,923¥22,808¥2,073¥1,829¥1,706¥1,584
12¥26,923¥22,808¥1,901¥1,676¥1,564¥1,452
13¥26,923¥22,808¥1,754¥1,547¥1,444¥1,340
14¥26,923¥22,808¥1,629¥1,437¥1,341¥1,245
15¥26,923¥22,808¥1,521¥1,341¥1,251¥1,162

【月収100万】

実働時間(h)日額経費差引後ロイ0%
(時給)
ロイ10%
(時給)
ロイ15%
(時給)
ロイ20%
(時給)
7¥38,462¥34,346¥4,907¥4,357¥4,082¥3,808
8¥38,462¥34,346¥4,293¥3,812¥3,572¥3,332
9¥38,462¥34,346¥3,816¥3,389¥3,175¥2,962
10¥38,462¥34,346¥3,435¥3,050¥2,858¥2,665
11¥38,462¥34,346¥3,122¥2,773¥2,598¥2,423
12¥38,462¥34,346¥2,862¥2,542¥2,381¥2,221
13¥38,462¥34,346¥2,642¥2,346¥2,198¥2,050
14¥38,462¥34,346¥2,453¥2,179¥2,041¥1,904
15¥38,462¥34,346¥2,290¥2,033¥1,905¥1,777

オットー

トップ勢は良い時給とれてるね
でも、やっぱ長時間拘束だと微妙か



軽貨物において、配完件数や単価等の指標は色々とありますが、結局は「一日、何時間働いて、何円残るか、その積み重ね」でしかありません。
50万円ってのが一つのボーダーとなっている業界で、最低限はここまで払ってあげたいと考える管理者は多い傾向にあります。

車両関連費が10万前後で、ロイヤリティが10%、月収50万。
この条件での最低賃金ラインは、現行の広島県最低賃金から考慮すると実働12時間となります。

ツーマ

50万も稼げるのか!!
じゃないんだね

オットー

そうそう、この条件でようやく最低賃金ラインに乗るようになってる
厳密には、残業分は考慮されてないけどね


ここにさらに税金が上乗せされます。



個人事業主は節税を効果的に行わないと、可処分所得が本当に薄くなってしまいます。
フリーランス一年目では、必要経費や青色申告特別控除を十分に理解せず、本来活用できる控除等を反映できていないケースもあります。

先ほどの条件、週6勤務、日給16000円、車両関連費が107000円とすると、¥309,000/月の利益となります。

この条件で、何もせず申告してしまうと、一年間の所得が¥3,708,000となります。
個人事業主は事業の関わる生活費を一部を「経費」として扱うことが許されており、その制度を活用して所得を下げることができます。

・家賃
・電気代
・ガス代
・水道代
・回線
・スマホ通信費等
(この他にも沢山ある)

自宅の一部を事務所として扱う場合、その使用割合によって、経費化が可能です。
これらの年間総コストが150万円で、事業に3割ほど活用している場合、45万円の経費化となります。
また、事業に必要な備品や、接待交際費などで36万円を計上、81万円になったすると、

経費を差し引けば、事業利益は¥2,898,000となります。

オットー

経費は適切に要件を満たすこと!!



さらに、青色申告特別控除と言われる制度があります。

申告方法事業利益青色申告特別控除控除後の所得
白色申告¥2,898,000¥0¥2,898,000
青色10万円¥2,898,000¥100,000¥2,798,000
青色55万円¥2,898,000¥550,000¥2,348,000
青色65万円¥2,898,000¥650,000¥2,248,000




①【経費化、青色65万で申告を行い、申告上の事業所得¥2,248,000となった場合】
②【何もせず、¥3,708,000で申告した場合】

これらを比較すると、以下のようになります。
(計算を簡略化するため、前年度所得を同額にしています)



総売上は、

¥416,000 × 12 = ¥4,992,000


利益は、

¥309,000 × 12 = ¥3,708,000

節税後手残りは、

¥3,036,438

節税なし手残りは、

¥2,635,153


これが「軽貨物は食っていけない」と言われる核心のひとつです。
そして、このお金は事故ると吹き飛ぶことを理解しておかねばなりません。

オットー

週3勤務で、一日中時間売って、日給3~4万持って帰るのが
軽貨物の活用方法としてはベストなんだろうね




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この記事を書いた人

某理大で火山岩石学専攻。卒業後3年間旅へ、職業訓練を経て機械設計会社に入社。労働条件の乖離で早期退職、直後にコロナウイルス到来。会社に育ててもらおうってのが甘かったと思い、個人で比較的早く即金を作れる軽貨物業界で働くことになりました。現在は、運送しながら、金魚養殖、美容室開業に向け、色々と準備中です。

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